最近TBSで放映されている「日曜劇場半沢直樹」が大人気です。私も周囲の話題ネタに取り込まれて、見る羽目になったのですが、これがかなり面白い。視聴者別の調査によると会社の部長以上の管理職よりも課長以下の一般社員や派遣社員、アルバイトの人たちにはかなりの人気のようです。この人気は配役の会社での立場や、より上位者の不正をどんどんあばき、正義を実現していくという痛快なテンポのいい流れにあると思います。また主人公の堺雅人氏の演技力でさらに人気が出ているのでしょう。
昨今、話題になったブラック企業、経営トップや経営陣の社員を道具や機械にしかみなさない勤務体系などさまざまな問題が取りざたされた後にこのドラマ、ちょうどタイミングも合っていたのかもしれません。1970年代の労使紛争ももう忘れかけられたころ、ブラック企業、半沢直樹とまたまた経営陣VS一般社員のような構図がクローズアップされ、問題を投げかけてくれているのはとても社会的に意義深いことだと思います。
ただ半沢直樹の原作者は半沢のまねはしないほうがいいと言われるくらい、ブームが過熱化しているようです。確かにそういったメディアの影響はとても大きいのでそういう警鐘を鳴らすことも重要だと思います。でもほとんどの人びとはドラマはファンタジーであり、現実とは全く違うことは理解していますし、ドラマを通じた現実逃避でストレス解消をしているということはわかっていると思います。私なんかはドラマを見ながらも、あとで実際の社会に照らし合わせると、どうなのかなど考えてしまうのです。
おそらく上司にあんな目つきで上司の問題を指摘するとまずケンカになることは間違いありません。でもドラマに出てくる上司は実際、半沢直樹の指摘をとりあえず大人になってちゃんと聞いているのです。もちろん聞かなければドラマが成立しませんし、わざとしどろもどろになるという悪役を演じてくれることでさらに正義がクローズアップします。
まあ実際の社会では勧善懲悪の人なんていないわけで、正義VS不義、善VS悪といった構図ではないことは明らかです。また比較的このPSIブログは権威主義的人格には否定的見解をとっていますので、どちらかというと経営者や上司には厳しい意見をずっと言ってきたわけです。半沢直樹のような理想に近いような人格の社員はいないわけで、上司や権力者には強く、部下や同僚に対してはそれなりに信頼をえるような行動ができる人はあまり見たことがありません。
基本的に下記のような人格の人びとがかなり企業や組織では見受けられます。
①上にペコペコ、下にガミガミといった権威主義的人格
②上にペコペコ、下には顔色伺いの八方美人タイプ
③上にも強いが、下にも高圧的で空気を読まないわがままタイプ
①のタイプは最近では減ってきましたが、一部の独裁的経営者のいる企業などでは結構いたりします。今は上にどんなに取り入ったところで、部下から信頼されない人は昇進も難しいからです。また②のタイプは一見いい人なのですが、とても無責任なタイプです。なぜなら自分の役割を果たしていないからです。最初はいい人に見えますが、そのうち周囲から見くびられ、信頼はなくなります。こういう人は一緒に戦うという戦友にはできない人です。③は組織内ではもう浮いてしまいます。最初は上司にもたてつくのでおっ久々に骨があるのかなと思ってみていると、上だけでなく、自分が気に入らないすべてに反抗的な人というのがあります。結果的に自己中心的であるので上司にも部下や同僚にも悪い意味で、一線置かれてしまいます。
このブログで組織の上位者を目の敵のように批判的にコケおろしてきたのは、上位者は責任があるという名目で一般社員より給料も待遇もいいということと、その立場にふさわしい責任をとる上位者が実際少ないということを痛感してきたからです。ドラマ半沢直樹の中で「部下の手柄は上司のもの、上司の失敗は部下の責任」という言葉が出てきているのもそういう世相を表しているからなのです。組織の責任をとらない上位者は権力を持っているので批判されるくらいでないとバランスが保てません。もちろんまともな役職者も世の中にはたくさんいます。でも経営者や役員の給料はいちばん最後というまともな企業もたくさんあるでしょう。そういう人びとはちゃんとこのブログの意図をよく理解されているのだと思います。
ドラマ半沢直樹で管理職や上司の立場にある人びとは、このドラマの影響に戦々恐々としている人もいるかもしれませんし、逆にそれをいいことだと思っている人もいることでしょう。ただ実際、最近は悪戯な権力者がクローズアップされ、ブラック企業という観点で経営陣の問題がやたら批判される中で、逆に若い世代の特に③タイプの社員に手をこまねいている会社も多いようです。勝手に欠勤したり、遅刻しても悪びれず、なお気に入らないことには平気で反発し、すべて自分が正しいという人もいます。周囲はそれに対して何も言えず、ひどい場合は上司も何も言えず野放し状態ということも起こっています。
とくに若い世代は離職率も高く、我慢という観点は一切ありません。もちろん空気を読む人はどんどん若くなるほど減っています。それはなぜかというと少子化やゆとり教育により人間関係の訓練がなされていないことで間合いや距離感もわからなくなってきていますし、もちろん空気も読めません。また競争社会でなくなったことで、意欲の低下やストレス耐性が極度に低い人びとが増えています。そういう状況の中で逆に放任主義で育てられたり、不遇な家庭環境で育つととてつもなく強い性格やわがままな人格になることで③のような人になってしまったりするのです。一方であまりやる気がない忍耐力がない人が増えている一方でやる気がありすぎて、モチベーションというよりテンションが高すぎるような人もいたりします。そういう人は自分の思うようにならないとすぐに拒否したり、結果的には長続きしないということになります。
団塊や団塊Jrの世代など人間関係も豊かで競争もそれなりにあった社会から、今はのんびりとしたいことだけできるような世代になっていますので、当然忍耐力もなければストレス耐性もない人が増え続けています。中国では一人っ子政策の影響で、軍部の統制がとりにくいなどといった記事も最近目にしました。とにかく今後の企業の課題はそういった若い世代をどう動かし、企業収益を上げていくかということが大きな課題になりそうです。空気も読めなければ、はっきり言ったことしかできないからといって、人間的対応を止めて、機械やロボットみたいにこき使えばいいという経営者や管理職はもちろん企業にいてはいけないと思います。
かけがえのない人生、大切な人に伝えましょう!トラックバックも大歓迎。しあわせの輪をひろげていきましょう!
2013年8月28日水曜日
2013年8月22日木曜日
組織風土と病気の関係
ある会社の元社長が癌になって余命3ヶ月と宣告されたという話を最近聞きました。大腸癌で手術はとりあえず成功したようですが、すでに肺にも転移しているとのことでなかなか状況はきびしいのではと思います。
その会社は現在はないのですが、20名くらいの小規模の会社でその当時、社員がどんどん癌になり亡くなっていくということで業界では知られていました。癌になった人は6人、そのうち2人が亡くなっています。亡くなられた2人はとてもいい人で、ひとりは私と同い年で胃がんでした。
ついに元社長がそういう病気になったということは不幸なことではあるのですが、なにか因縁めいたものを感じざるをえません。なぜその会社はあんなに癌になる人が多かったのでしょうか。私は当時からその会社の組織風土に問題があるとずっと見ていました。その当時、私の講演を聞かれた元社長が講演終了後、私にあなたの講演は何が言いたいのかわからないと言ったことがとても印象に残っていて、いまだに鮮明に覚えています。その社長もあまり定性的な感覚はなく、とても頭の固いイメージで、役員連中にはペコペコで下には結構ガミガミのタイプでした。もちろん私はその会社の社員ではないので被害を受けたことはありませんが、こういう組織風土というのが理解できない人もいるのだと実感したわけです。
そして元社長の会社は権威主義的人格の人が多く、権威には絶対服従でそうとう抑圧された精神構造の人が多かったですし、とにかく真面目で完璧主義、カマトトっぽい人も多く、下ネタにはまったく反応できないし、冗談も通じないアソビのない人びとが多かった組織であったのです。まあ類は類を呼ぶというのが実際に表れたような人びとの集まりでした。
権威主義的で抑圧された組織風土の中の社員は目に見えないストレスで充満し、その結果癌という病気になりやすいのではないかと思います。組織風土と病気に相関について研究すればそれはとても面白い研究になるのではと思いますが、何分ネガティヴな研究になるので、企業自体がそういったデータを出さない可能性が高いと思います。
ちなみにブラック企業と言われている企業の社員たちはどうなんでしょう?うつになる人は一般的にかなりの数に上るようですし、それに付随して自殺者などはなかなか自殺の原因を企業やその経営者の責任にすることがなかなか困難な状況ではないかと思います。でも今後勤務内容と同時に組織風土なども含めて人材管理の中には精神面の管理が不可欠であると思います。
いずれにせよ、一つの組織を率いている経営者は組織の長として、どんどん社員が倒れていくのを何ら問題に思わず、平気でいるというのは全く理解できないことです。どこに問題があるのか、自分で勝手に判断するのでなく、第三者である専門家に相談すべきです。病気や精神疾患を個人の問題として決めつけないで、企業として経営者として、上司として対処すべきであると言いたいわけです。
少なくとも社内のストレス環境など問題があるのではないかと考えてみるべきです。経営者は自分の会社の社員は自分のこども、家族同様に考えるべきだと思いますが、雇われ経営者でオーナーシップがとれない会社であったり、経営者自身がサイコパスのような人格になってしまっているという観点では社員の病気などは、他人事に過ぎないという人が多いのです。
その元社長も癌になったことをただ病気として治そうというのでなく、その意味合いを痛感してほしい気がします。もし病気が神様が与えるものだとするならば、なにか悟るべきことがらがあるはずです。それを考えないとしたら、癌になった意味が生かされません。
ただもともと悟れないような人だからその会社の雇われ社長としていたのかもしれません。悟れるような人であれば、社員があまりに倒れていくならばどこに問題があるのかと真剣に考え、組織風土(人間関係も含め)や勤務状況を変えていったことでしょう。
まここらへんにしておきます。あまり解釈しすぎるとオカルトっぽくなるので。
いずれにせよ、経営者や人の上に立つ人は人を追い込んだりいじめるのはやるべきではないと思います。フロイトやユングによると人間は受け入れがたいことがらは自分の無意識に閉じ込めて抑圧された状態にして普段の意識には出てこないようです。ただそれが表れるのは催眠術をかけたときで、覚醒されると一切それらは覚えていないということのようです。社員に催眠術を施しその無意識に抑圧されたことがらを引き出してみると上位者に対する怨みつらみが出てくるかもしれません。よくわら人形なんてありますが、あまりに多くの人に怨まれるとその意識が具体的に対象物に顕在化するのではと思ったりします。祈りの力なんてのもそういうことかも知れません。思い続ければ必ず実現するといったことも同じような精神世界の内容が現実世界に顕在化するといった内容なのかも知れません。
経営者であるということ、組織のトップに立つということは、ある面組織の成員の命も預かっている、その家族までも責任をもたなければならないのだということを肝に銘じ、逆に不幸な状態がどんどん起きるようなことがあるならば、早期に問題発見、問題抽出をして問題解決に取り組むべきです。人を預かる立場である重大性を認識できず、気楽に考えていると間接的な殺人を犯しているかもしれないということをしってもらいたいものです。そういう認識すらできない人は経営者や組織のトップに立つべきではないと思うのです。
登録:
コメント (Atom)