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2013年7月19日金曜日

認知的不協和に苦しむ経営者

認知的不協和とはアメリカの社会心理学者フェスティンガーが唱えた理論です。人間はつねに自分の思いや認知と行動が矛盾のないようにつねにバランスをとるという性質があります。すなわち自己矛盾が生じている状態にずっととどまっていることは誰しも嫌なのです。ホメオスタシス(恒常性維持機能)という観点もそれに似たものがあります。とにかく人間は変化に対して弱いということもありますし、まして自分が願わない不本意なことを要求され、行動を強いられるときには精神的に大きなストレスを感じるのです。

会社経営の中でも、経営者は認知的不協和を低減しようと努めるのです。ここでご紹介するのは一例です。基本的に社長に抜擢されたら経営権を握って自分の信じたとおり会社経営できるのが筋であるが、世の中には引退しているはずの会長なる存在がいまだに権限を行使していたりするケースがあったりします。また外面的にはわからないがうまく院政を引いて、ことあるごとに社長を呼びつけ、指示をだすような会長という存在がいたりします。そのうち社長は勝手にやって文句言われるくらいなら会長の言うとおりに従ってやっていれば、文句も言われずに済むということで完全に経営権が会長にあり、会長が経営をし、社長はただその業務を遂行するだけの仕事をしているということがあったりします。(ここでは会長―社長という関係で話しますが、みなさんは社長―上司と置きかえてもいいかもしれません)

分かりやすく示しますと以下のような矛盾を抱えて社長が経営しているわけです。

認知A:会長の命令に従う。
認知B:会長の命令に従うと会社が経営破たんする。(会長に従わなければ経営できる)

社長の仕事は当然業績アップをめざし、経営を上向きにするというのが仕事ですから、こういう状況は明らかに本来自分がすべき行動とは矛盾するわけです。そこでこの矛盾を解消するのにどのように行動するかという問題なのです。それは認知Aを変えるか、認知Bを変えるかです。まず認知Aを

認知A':命令に対して拒否し、社長の考えを押し通す。

という認知A'に変えると自分のすべき仕事に対して矛盾が解消されます。ただその場合命令に従わなかったとして社長はクビになるかもしれません。なかなか企業トップが独裁を敷いているところはその権力のゆえにその部下は直立不動の経営しかできないケースが往々としてあるのです。したがって意見を言うとか、反論するなんてことはもう自殺行為に等しかったりします。そういう組織で生き延びていく、出世するにはとにかく上位者にうまく取り入っておべっかは言っても絶対に上司の言うことを否定しないという行動が必然です。

しかし社員からしたら、せっかく社長でいるのだからリーダーシップを発揮して新しいことをいろいろと試したり何とかg黒字にしよう業績を上げようと頑張るのですが、まったく埒があかないという状況にあります。おまけに現場の事情がよくわかっていない会長に振り回されて、社長はトンチンカンな指示命令ばかり下すという状況になってしまっていたりします。そして実際に、経営状態はさらに悪化してどんどん厳しい状況に追い込まれ、給料も減らされ、社員の不満はピークになってしまうのです。

そういう状況にいたっても社長は認知A'の行動に出ることはできないでいます。でも社長としてはなんとか経営はちゃんとしたいという矛盾をかかえてしまうのです。でもクビにはなりたくありませんから、A'の選択はまずありえません。それで会長の命令に従うのです。それで会社の経営破たんをを見越して自分なりに矛盾、すなわち認知的不協和を低減できる理由をさがすのです。

・どうせこの会社はもう潮時だった。
・命令に従ったから経営責任は回避できる。
・社員もあの会長のワンマンさを知っているから理解してくれるだろう。

などなど、でも実際の経営責任者は社長です。経営責任は免れはしません。

こういった場合、どうしたらいいのでしょう。すでに経営破たんを受け入れているような社長は完全に会長に直立不動を強いられる管理下にある状況です。すでに自分の立場を客観視したり、俯瞰しシビアに現実志向で見つめるというレベルは失われていたりします。ひどい場合はアメとムチで完全に洗脳状態、学習性無力感で精神状態が崩壊しているケースもあります。とにかくこういう場合は部下の意見も聞かない状態になっていますし(なぜなら会長の命令以外の意見は受け入れないので)、相談をするという選択肢は皆無です。そういう状況にあることに気づけさえすれば、希望が見えます。ホントはできる(できそうな)部下を集めて、会長への対策会議を行えばいいのです。
それが無理なら、社外のコンサルタントか会長が一目置くような人に相談することが重要です。ただ社外であったり、経営から長く退いていると状況がイマイチ把握できない場合もあります。

とにかく気づきが必要ですし、問題の核心部分が明確に分かる、すなわち問題抽出能力がなければいい方向に展開することは困難です。そうであるがためには歪んだ持論や処世術だけで凝り固まった経営者、上司という企業組織の上位者はつねに学習してほしいものです。

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