女子柔道の選手15人が体罰、パワハラを告発した問題で、彼女たちが望んでいたことは、監督の辞任だけではなく、根本的な組織改革でした。
スポーツ界からこのような主張が起こったことはとても画期的なことであると私は感じています。いままで、スポーツの世界では言われたことをただひたすらにやり続け、記録の更新に全力を傾けていくとところに全身全霊を集中させていくという世界であると思っていましたが、そういう組織風土の中で体罰(であると気づくこともすごい画期的な発想である)をきっかけにホントにこの手法で自分たちがより高みを目指すことができるのかという疑問を持ったということに驚くかぎりです。
企業等ではもうずいぶん前からセクハラ、パワハラ、モラハラと理不尽なことがらが取り沙汰され、問題視されるようになっていますが、教育界やスポーツ界ではまだまだ上位者の絶対権力というものが容認されてきたことや、そういった指導方法がより結果を出してきたという事実、実績が裏付けされることでそういった問題はつねに隠蔽される傾向にありました。今回の事件はそういった分野においても問題が明るみに出るきっかけになっていますし、このまま終息することなく、さらに問題が起こる原因、要因まで議論がなされていくことを期待せざるを得ません。
長年、健康産業に携わってきた経験上、組織の問題は人間の体の問題に似ているなといつも感じています。人間の体も組織であると言えますし、やはり脳から指示命令がなされて各器官がちゃんと動かなければそれは病気の状況です。病気の前の状況を未病と言いますが、まだ病気としては認知されない状況です。ただ病気になる兆候は表れてきているのです。でよくお話ししてきたのは、体質改善という話です。要するに病気になるにはその病気になりやすい体質であるということ。そしてそういう体質を作り上げているのはその人の考え方の部分なので、ホントの健康維持というのは考え方の部分まで掘り下げていかなければ実現できないものであると私は考えてきました。
ただ企業やさまざまな組織と人間の体の決定的な違いは、学校や企業、その他の人間が寄り集まって形成される組織には自然治癒力が備わっていない、あるいは極めてその能力が欠如しているということです。人間の体は悪いとことがあるとすぐに症状として目に見えるカタチで出てきますが(もちろんわかりにくいものもあります)、人間が形成した組織はすぐ問題を隠そうとしてしまう性質があります。膿を出さなければならないのに出すどころか出ないように隠してしまうのです。
基本的に人間には自然治癒力が備わっていますし、具体的に症状や病気を通じ、本人にそうなる原因を訴え、その部分を改善することをあいまいにすることなく要求してきます。人間はだいたい病気になったりするとその原因は本人がわかっているケースが多いのです。病院に行って医師は問診によって本人からその原因を引き出そうとします。ただ医師ほどの知識がないので、いわゆる症状や病気の原因を解明できるフレームを持ち合わせてないのでそこで気づくケースも多いのです。
あらゆる組織の問題も当事者はなんとなくわかっているケースもあります。でもわかってもその問題解決をしていく力は個人にはなかったりします。やはり組織は第三者機関を通じなければ何の処方箋も与えられないばかりか病状は悪化して、最終的には企業は不祥事や問題を繰り返し、やがて倒産に追い込まれるといったこともあります。
人間は健康を回復したり、病気にならないようにするには病気にならないように体質改善を行うということがとても重要です。その病気にならないような体質にするということです。一時的に治っても体質が変わらなければまた同じ病気になってしまいます。その体質を作りあげているのはその人の生活習慣で、さらにベースとなっているのはその人自身の価値観、考え方です。すなわち企業その他の組織もさまざまな問題の原因は組織の構造の問題があります。そしてそれを支えているのが組織風土の問題です。組織風土は組織の成員が作り出している側面は大いにありますが、基本的には経営トップの考え方がその主軸となっています。
さまざまな問題←組織の構造上の問題←組織風土の問題←組織トップの価値観や思想
とにかく組織のトップがどこに問題があるか、そのことを明確に分析、理解できなければその組織は致命的です。
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