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2013年4月21日日曜日

硬直化した組織風土が定性感覚を喪失させる

ダメな会社が変われない理由のひとつに組織風土の硬直化があります。

そして変われない会社の組織風土は概して権威主義的で上下の力関係が明確なピラミッド型の権力構造になっています。当然そういった組織の上層部というのは、経営者もその取り巻きもすべて制度(風土も含まれる)的に埋め込まれた状態にあるので、ほとんどが身動きが取れない状態にあります。そういった会社は経営理念は社会的にもっともらしいキレイな言葉でつくられていますが、実際、その理念の行間を読むと会社組織の成員のしあわせには無関心であったりします。

そういった会社でさらに経営者が独裁的であったりするとなかなか発展は見込めなくなります。多くの社員が不満を抱え、しかし声をあげるということは退職を前提としていなければならず、裏ではみんな不満を言っても表立って言う者は排除されるしかないという構図になっています。会社の成員一人ひとりはみんないい人であったりするのですが、長年にわたってその水に慣れるとどこに問題があるのかさえ分からなくなるのです。

組織風土をいじるということは会社の根本的なパラダイムに言及するということであり、とても危険が伴うことなのです。下手をすると、危険分子とみなされて、排除されるリスクは否めません。そういった会社は上層部は長年にわたって変わらない面子になっていますが、ミドルから下のほうに行くと明らかに新陳代謝が激しかったりするのです。なぜそうなのでしょうか、多くの社員が入社してもさまざまな問題に対して改善ができない、あるいは改革の壁があまりに厚いと実感したとき、できる社員ほどそこに定着して人生を棒にふるのはどうなのかと考えるからです。すなわち、多くの社員が入ってきては経営者、あるいは上層部の人びとに対して見限って出て行くからなのです。

では創業、あるいはそれ以降に入社して長年残っている人びとは甘い汁ばかり吸ってきたのかというとそうでもありません。最初は問題が起きてくるようになると、本気で改革を考え行動した人もいるはずです。しかし、権力とその取り巻きの同調圧力に屈するかたちで結局黙ってしまった人もいるのです。それが組織で生きるということであるとある面、結論を出したと言えます。最初はとても実力もあり、リーダーとして有望視されていた人もいつの間にか魂を抜かれた抜け殻のようになって、ただ自分の地位を維持するためになるべく出る杭にならないように注意して過ごす日々になってしまうのです。

ちなみに私の知っている会社の中には社員がどんどん癌になっていたところもあります。また他の会社では役員の中にうつ状態の人が結構いて、役員の中には妻が癌になって亡くなられたケースもあります。もちろんそういった会社の構造や組織風土との相関があるかどうかはわかりませんが、相当ストレスの多い会社であることは想像に難くありません。

ところで、独裁的になってしまった経営者も最初からそうではないのです。太鼓もちの部下たちがつくりあげた独裁者に他ならないのです。人間は褒められたり、持ち上げられたりすることに極端に弱いのです。よく褒め殺しなんて言葉がありますが、まさに人の言うことを真に受けて、自分で内省ができない経営者は簡単に木に登ってしまうのです。すなわち褒め殺された経営者のもとに、飼い殺された幹部社員たちが群れを成している会社の様相がまさしくダメな変われない会社なのです。

そういった会社は要するにその体制を維持することが常識化しているので、その会社の組織風土を形成しているパラダイムに踏み込むことは絶対的にタブーです。もともと上位者を異常なまで持ち上げるといった風土も会社のパラダイムの根幹をなしています。こういった企業には中途で採用されたり、よそから役員として入ったりするとすぐその問題に気づいたりします。でも長年その水に慣れ親しんで暮らしているとやはりゆで蛙状態になっているのです。そしてパラダイムに問題があることに言及することができない状態にあるとそのうち、思考の選択肢から排除されてしまうのです。そして会社の業績などが悪くなっても、パラダイムという目に見えない価値の部分に問題があるという考え方はできず、数字ばかり問題視するようになるのです。具体的に見えるもの、すなわち係数感覚ばかりで経営を考えてしまうようになるのです。

人間は定性的なものを抹殺してしまうと、定量的感覚に頼るようになります。企業の価値、それを支えている企業風土、すなわちそのパラダイムは根の部分であり、企業がもっている目に見える商材とそれを市場に供給するスキルは幹や枝、葉であり、業績は実です。根が腐っていれば当然幹も枝も葉も育たないですし、そして実もなりません。

どうしても硬直化したピラミッド権力構造の組織はその構造を維持しているパラダイムの部分には目を向けたくないのです。したがって経営陣や組織上層部にはそういった定性感覚を失ってしまって、コストカットや無難に見えて、全くイノベーションはない売れない商品ばかりを市場に出すという小手先の方法に終始するようになるのです。根本から見直すなどという大胆な発想はまったく出てくることはありません。

私の知人のコンサルティング会社では組織風土と数値化して問題を明確にして改革を促すというアプローチをしています。依頼を受けるとクライアント先の会社の会議状況などすべてを数値化して具体的に改革の方法を提示するようです。ある上役の発言には誰も意見がなかったとか沈黙が何秒続いたとか……。ただいずれも背に腹は変えられないという思いで、自分も含めて変わらなければと決意できる経営トップの依頼でなければ組織風土の問題に踏み込むことは難しいようです。

企業が本気で生き残ろうと思うなら、モノがあふれている市場にどういうアプローチをするべきなのか、イノベーション無くしては実現不可能であると思います。でもそのイノベーションを起こすためにはさまざまなアイディアが出るような組織風土にしなければならないわけです。そして組織風土を形成しているパラダイム、組織の成員一人ひとりを人間という観点から見直しどうすべきかを考えることが必要であるはずです。少なくとも、もっとも権力を持つ経営トップが腹をくくれば可能であるかもしれません。権力指向を辞める決意ができるなら、ですが。

いずれにせよ長年にわたってその権力の座についてきた人とその恩恵に預かってきた人びとには組織風土のパラダイムシフトという考え方は一切ないでしょう。

とにかく硬直化した組織風土の企業はどんどん業績も下がり、最終的には外部の経営コンサルタントや専門家の意見を取り入れるという選択肢はなくなり、すでに取り込まれて経営トップにはモノが言えないコンサルタントか、会計士や銀行といった計数管理の(定量感覚に長けた)エキスパートたちによって整理されて幕を閉じるという流れになるのがだいたいのストーリーなのです。

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