人間のからだは消耗品です。心も枯れたり、折れたりするというようにあまり負荷をかけすぎると限界を超えてしまいます。いわんやからだはなおさら目に見えて消耗していきます。人間は生まれたときから「死」に向かって間違いなく進んでいるのです。20代までは成長し、たくましくなったり、綺麗になっていくという感じですが、30代に突入しつつ、徐々に人生は「老い」のプロセスを歩んでいるのだと自覚するようになります。PSIでは人生を楽しく有意義に謳歌する意味で、短い人生より長生きの人生のほうがいいですし、長生きするなら寝たきりにならないように健康で生きたいということを推奨しています。
健康でストレスを受けず長生きする秘訣は、自然体でありのままの自分をさらけ出して生きるということをお話しました。でも私たちはひとりで生きているのではありません。さまざまな人びととの関係性をもって生きているのです。気を使ったり、我慢したり、あるいは誤解から喧嘩になったりとさまざまな経験を積みます。そういう中で、それでもストレスを受けない生き方を考えて自然体の行き方を目指すのなら、やはりすべてが自分の思うようにはいかないという現実を受け入れることと、すべての人が自分をいい人だと見るという非現実的な発想を捨てることが重要になってきます。それがすなわち
「あきらめる」と「どう思われてもいい」
という二つの観点でした。
そして人に対してはもちろんのこと、自分に対してもやさしくあるべきということも重要です。
現代社会は精神疾患がとても多いように見受けられますが、「うつ」も社会問題化しています。もともと「うつ」になる人はとても真面目な人が多いのです。初めからいい加減な人や、チャランポランな人はあまり「うつ」とは関係ありません。「うつ」になる人は真面目で、自分に対してきびしい人も多いのです。ですから、自分が理想とするレベルに行かない状況がずっと続くとその理想と現実のギャップに悩み続けます。最後まで妥協できず、悩み続けた人が、ある時期を過ぎるとプツンと風船の糸が切れたように「うつ」状態になってしまいます。真面目で趣味もあまりなく仕事一筋のような人も危険です。なぜならそこにしか心の拠り所がないので、仕事で問題が起き続けると救われる環境がないからです。もし仕事以外にいろいろと軸足があれば、仕事での問題が自分の心に占める割合は低くなるから精神的にラクなのです。
「うつ」の人に頑張っては禁句だと言われています。実は頑張りすぎてそれでも結果が出なかったからそうなったのです。会社もダメな会社は結果が出ないことを社員のせいにしてどこまでも追い込む会社があります。でも結果が出ないのはもともと市場のニーズがないものを売っていたり、会社のシステムに問題があったりするのです。保守的で一つのやり方で大きな実績を出した、いわゆる過去の栄光が大きい会社は変化する時代の流れについていけず、旧態依然たる老朽化した手法を相変わらず使って仕事をさせているので、結果は出ないのです。そういう会社や経営陣の問題を客観的に見抜いて、自分の才能に問題があるのではないということに気づけばいいのですが、新人で入ったり、長年働いてきて、いままでの手法が通用せず、いくらやっても不毛の闘いを繰り返すようになるといつの間にか我知らずそういった精神的なダメージを患うようになっていくのです。
「あきらめる」も「どう思われてもいい」は「うつ」症状の人びとには福音のようなフレーズであると確信します。肩の荷を下ろしてください。もっと気楽に生きようよということです。もともと人生は与えられたものであり、生まれたということは計り知れないくらい尊いのものであり、奇跡です。そのことを考えながら、自分の分もわきまえて、あまり追い込んではいけません。いまのあなたで十分です。そのままの自分がいちばん輝いているのです。
とにかく世の中の常識というものを疑問視しましょう。成功哲学なんかも元気な人が金儲けするためのスキルの土台となる精神論です。それを好きな人もいるでしょう。また成功哲学を信奉する人びと、特にそれを生業としている人びとは、それに関心を持たなかったり、受け入れない人びとに対してとても勿体無いような言い方をしますが、それはその思想に引き込むための方便に過ぎません。勝ち組、負け組という分け方、しあわせ、不幸せという言い方、それらはとても主観的な言い方であって、人それぞれ見る観点が違えば、まったく違ってきます。またバツ一、バツ二といった言い方などもありますが、お笑い芸人たちがそれらを自虐ネタにすることで、最近はあまり悪いイメージはないのでこだわる理由もないのかもしれません。いずれにせよ世の中の評価は絶対的なものではありません。したがってそういった世の中の常識や社会通念で自分を評価して落ち込む必要は全くありません。ただ「うつ」になりやすい人は完璧主義的な人も多く、必要以上に自分で自分を低く評価してしまうキライがあるので注意しましょう。
自分大好き人間、いわゆる「ナルシスト」がもっともストレスがなく理想的です。それでいて傲慢でなく、素が出てお茶目な性格なら周りも好意的に受け入れてくれること間違いなしです。個性的な魅力こそ人間本来の魅力であり、完全な美男美女なんて面白くありません。落語で「美人は3日で飽きるが、ブスは3日で馴れる」というのがありますが、一理あります。有名人でも美男美女が案外、結婚できなくて、そうでない人が結婚したりします。もちろん結婚するしないは、人それぞれの考え方ですのでそれはどちらでもいいのですが、完璧でないほうが魅力的なのです。日本人は八重歯をかわいいとする美的感覚があります。それは未成熟なところに魅力を感じるからだそうです。皆さんもそういった経験はないですか。私は男性なので男の立場で言及すると、美人なのにちょっと手が荒れてたり、とか美人なのにちょっと歯並びがイマイチとかというのを目にすると心がキュンとなったり、安心感を覚えたりします。完璧でないところが相手に安心感を与えるのです。芸能人でもものすごい美人がずっと彼氏もできないというのをよく目にします。人間、完璧すぎるとひくのです。
最近は整形の技術がとても高いので、完璧な容姿は作ることができます。でもそれには個性がないのです。たくさんの女性が綺麗で長い足を出して歌って踊っても一人ひとりを区別できず、覚えられないのです。日本のアイドルはほとんど整形をしていないためにはっきり言ってデコボコです。でも何度か見ていると名前まで覚えてしまうのです。お父さんはAKBの中では○○ちゃんがいいなと言ったりすると娘からはキモ~イと言われてしまうありさまです。
少しは自信がつきましたか。皆さんはありのままで十分輝いているのです。みんなに好かれる必要もないのです。自然体で素を出して、それを受け入れてくれる人は自分と相性のいい人です。芸能人の中でもその素のほうをウリにしているお笑い芸人は結構、美人と結婚したりします。女性も男性も美しさとかかっこよさに惹かれるのではなく、その人がもつ本来の個性の輝きに惹かれるのです。これからは自分の持ち味、個性を伸ばしてより充実した人生にしていきましょう。
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