このブログを見ていただいている方々は、さまざまな立場にあることと思います。会社の一社員でまだ役職も無い方、あるいは部長、課長の中堅クラス、また経営者の方や主婦の方もおられます。専業主婦から、シングルマザーで頑張っておられる方などホントに世の中にはたくさんの立場で働いておられます。
今回は会社の経営者と社員、あるいは上司と部下という関係にスポットをあてて考えてみたいと思います。PSIが理想とする組織形態はよりフラットで役職は権威というより役割分担ととらえる考え方です。でも実際世の中にそれに近い組織はあってもまったくその通りと言える組織はほとんどないのではないでしょうか。実際は上司の命令で部下が行動する。これはごく当たり前のことです。そこで生じるさまざまな問題をあげて考えてみたいのですが、今日は経営者あるいは、上司の立場で考えてみたいと思います。
最近は会社でもより上司の立場にある人びとの悩みは、部下がうまく動いてくれないとか、言うことを聞かないとか、気が利かないとか、自己管理ができていない、時間にルーズ……などさまざまです。ここではっきり言いたいのは、上司が部下の問題をあくまで部下自身の問題とだけ片付けてしまっていたら、問題解決はずっとできないであろうということです。
実は問題は経営者にあります。上司の側にあります。経営学やマネジメント関連の書籍、またインターネット上にあふれている情報はあくまで経営者や上司のスキルを高めて社員や部下を管理していこうという話で経営者や上司の人格の部分まで触れている内容は希少です。また上司にうまく取り入る方法など、あくまで組織の下位者が上にうまく従わすような論調がとても多いことを実感します。経済学者の宋文洲さんなどはそういった経営者や上司の問題にはっきりと言及しています。
とにかく上司が部下をうまく管理できない(管理するという観点も上から目線であまり好きではありませんが)のは自分より若い世代の感覚を分かっていないということにあります。いわゆる
①ジェネレーションギャップ
の問題です。日本も世界も一年で大きく変わります。十年も経てばもう昔の話です。十年前のあなたが部下で上司がいた時代とはまったく変わっているのです。そして受けた教育や育った環境がまったく違います。はっきりと言えることは家庭環境から社会環境に至るまで、昔に比べて人間関係は希薄、疎遠になっているという事実です。それをさらに助長させているのはテレビやゲーム、インターネットなどひとりで過ごす時間が増える環境が造成されているということです。その結果どういう人材が増えるかというと、人間関係の力、すなわちコミュニケーション能力が著しく低下して人間の間合いや空気を読む、機転を利かす、臨機応変な行動というものができないような人材です。特に若い世代になるほど、人間関係や会話が淡白であったり、ドライであるケースが増えています。皆さんのお子さんを見ればなんとなく理解できるかもしれません。言葉もやたら省略した造語が増えています。そしてできる人になるほどデジタル時代というのにふさわしく何ごとをやるにしても早いのです。おまけに話し方も早い人も多いのです。ただはっきりと指示が無ければ何もしないということも起こってきます。パソコンは人間が指示しないことはまったくやりません。気が利く処理をするのはすでにインプット済みの内容を処理してよく使うワードが先に出てくるようにプログラムされているからに過ぎません。最近部下の上司に対する不満は「はっきりとした指示がない」「指示があいまい」などということがあるようです。あなたの同僚や上司ならあなたの指示でできすぎるまでちゃんとやっているかもしれません。でもあなたの部下ははっきりとやってと言ったことしかやりません。成果主義を導入している会社はそれがさらにひどくなっているでしょう。(成果主義に関しては機会があればまた話します)なぜなら、指示以外のことをしてうまくいかなかったら評価は下がるので言われたこと以外は絶対やりません。
「何々をやってください、ここからこの部分はけんげんを与えます。あなたの判断で行ってください。」
とはっきり言いましょう。これくらいは空気を読んでやってくれているだろうはあなたの部下には通用しません。またこれこれはどうしますかと聞かれて、行う予定がないことに対して、「それはまた考えよう」とか、「もうちょっと先に」などという返答は、部下にはただの保留でペンディング状態にあるとしか考えません。部下はずっと待ち続け、イライラを募らす原因になります。はっきりとやらないことには「やりません」と答えるべきなのです。とにかく空気を読まないようになると日本古来の本音と建前という概念も崩壊していきます。それはある面、日本人も若い世代は欧米化していると言えなくもありません。空気を読む本音と建前世代にとっては、こんな言い方はどうなのかと考えすぎるキライがあります。ストレートに言ってくれると部下は、「はいわかりました」ですっきりする場合も多いのです。上司が時代の流れとともに変わらなければなりません。むしろ本音の空気を読まない世代の方が後腐れなくうまく人間関係を構築しやすいというメリットもあります。本音と建前世代は感情が見えなくなるので、組織内に目に見えない派閥や力関係がつくりあげられ不満や問題が隠蔽されたり潜って見えなくなることが多いのです。それに比べ本音で空気を読まない組織は問題が可視化されやすく問題が先送りされる可能性は低くなるはずです。
もう一つの問題は上司の部下に対する
②上から目線
の弊害です。現在の若者はかなりフラット思考です。年長者に敬意をはらう気持ちさえあればたいしたもんだぐらいに思うべきです。今はお笑いブームですが、テレビでもダウンタウンの浜田氏がかなり先輩の芸能人に呼び捨て、タメ語を使っているのを最初に見たとき、私はすごい嫌悪感を感じました。しかし最近は慣れて楽しく見ることができるようになってきました。彼と私はほぼ同世代ですが、その世代を境に上下関係の権威の崩壊が起こって来ているのです。もうあなたの部下にはそういった上から目線で命令するというのは聞き入れられません。そもそも言うこと聞かないという発想自体も問題です。上から目線の意識が根底にあるからそういう言葉が出てくるのです。だいたい人と話して少し言葉を交わしただけでその人の考え方というのはだいたい理解できます。権威主義的な人は言葉の節々に傲慢なフレーズがポンポン出てきます。また自分が相手より上であるという立場であっていれば、不必要なまでに謙虚でペコペコするような言動になっています。ひどい場合は緊張していたりします。そういった人も権威主義的な思考の強い人です。権威をもって威勢を張る人、権威を傘にする人、権威に極端に弱い人もすべて権威主義的思考の強い人です。自然体でフラット思考の人は、人間を大切に扱い、上下の隔てなく人間として接することのできる人です。怒鳴ったり、暴力(言葉の暴力)も使いません。またそのような人が部下の立場にあれば、礼儀はわきまえても、媚びへつらうことはしません。
上から目線でずっと部下に対してきた人で、社内で部下の評判は悪くないと思う人はもうすでに裸の王様状態になっている可能性もあるのでご注意ください。
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