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2013年1月25日金曜日

抽象度をあげるということ③

企業活動には、価値創造→商品創造、そして市場創造、あるいは市場発見等が必要となってきます。急がば回れ、ただの商売なら、食品でもなんでとにかく日常的に必要とされているものをいかに安く売るかという発想だけである程度は成り立つのかもしれません。でも事業というものはコンセプトが重要であり、やはり社会貢献性も含めた企業の存在価値まで明確にしながら、商品を作り上げていくうえでもそのベースとなる価値創造は不可欠です。

企業には基本的に経営者は企業の価値、そこから出発して企業が向かう方向、社会での企業の位置づけなどグランドデザインを描く必要があります。すなわち企業の心(マインド)の部分があり、企業理念、経営方針など総じて「思想」というものが重要です。それらを具現化するのに商品開発やそれを広める営業活動を通じた市場拡大が必要となってきます。ここでいう商品とは企業によって違いますのでコンサルタントやさまざまなソリューション事業は物ではなく、概念すなわち価値であったりする場合もあります。それも含めて有形、無形のモノを提供することを表します。

大きく分けて価値創造と商品(有形、無形)創造と考えてみると、前者と後者のスキルには大きな開きがあります。後者は細部にわたって技術的な能力が問われます。すなわちエンジニア(技術者)とか職人という観点です。ところが前者になるとそのスキルではないスキルが必要となってきます。それはものごとを客観的に見たり、俯瞰したり企業全体のイメージや市場での企業の地位確立、すなわち会社自体のブランディングまで踏まえてものごとが見えるというスキルです。
前者はとても定性的感覚である面芸術的な感覚、空気が読めるというスキルも重要です。また状況によっては空気をあえて読まずにという行動ももともと空気の読めない人にはできない行動です。後者は職人技が必要ですので、定量的感覚、係数感覚にも秀でていて、細部に入り込んで、細かい仕事ができる人です。ただ方向性や指示がなければ自分で創造するというのはなかなか困難です。市場のニーズとは全く関係のない自分の気に入った商品をつくってしまう可能性さえあります。

ここで重要なことは前者が正しく、後者が問題ということではなく、前者が正しく管理しなければ、後者は実力を発揮できないということです。また社内の地位関係が逆転している場合問題が起こります。まったく価値に重きを置かない経営者のもとで価値創造が重要と訴える社員がいたらまったく仕事になりません。社員のモチベーションは下がるし、実際事業も失敗するでしょう。そういった経営者がワンマンで人のいうことを聞かなければ、社員は何も言わなくなるので言われたことだけ行い、その結果失敗することになります。その場合下手をすると経営者は当然価値の部分がわからない人ですから、社員の責任を追及するということになります。その場合、文書ででも自分たちは失敗するということは想定した上で業務命令として従ったといった内容を残しておいたほうがいいかもしれません。

話が外れましたが、前者を価値創造しグランドデザインを構築する人、後者はそれを具体的に実体化する職人的なエキスパートです。言葉を変えると自分の考えでモノをつくるアーチストとクライアントの依頼に応じてモノをつくるデザイナーの違いとも言えるかもしれません。

企業も小規模であったり同族経営であったり、そのトップが長年にわたって変わらず君臨している場合には思考自体が経路依存の考え方にどっぷりはまり、組織の制度や人間の力関係に埋め込まれていて、自由な発想もできなくなっていたり、まして新しい価値創造というものはできなくなっているケースが往々にして見受けられます。その場合会議などでコンセンサスを得るという観点で抽象度をあげて結論を導出するといった場合、あきらかに虚無な、あまり意味のない、あるいは損失をさらに助長させるような結論しかでないといったことになります。この状況で抽象度をあげるというのは、より本質的原因的問題に目を向けて議論をなすというより、問題から目をそむけて、あるいは見ないことにしてなんとなく収拾したという流れになるだけです。(抽象度をあげるということがポジティヴな観点とするならば、全くの正反対ですね。)結果的に企業組織の慣例に従い相変わらず負のスパイラルから脱却できない状況にあるということがわかります。

今回お話しした内容は実際にあった一例ですが、もちろん企業における活動にはさまざまな問題が隠れています。その本質を見抜くことは必ずしも組織論理の中で善しとされないことが往々にしてあります。理不尽なことがらがまかり通るのが組織論理であったりします。正義感が通用しない組織風土もたくさんあります。PSI的には最低、みなさんには自分が傷つかないようにうまく立ち回ることをおススメします。私の経験からもお話しするのですが、何か大きな問題が起こったり、失敗が生じたときに絶対にスケープゴートにならないように自分を防御することも考えてください。

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